台風で空港に行けない時、どう動くべきか?前泊の判断基準を考えてみた

旅行

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台風25号のニュースで、成田線の運休を見た

先日の台風25号のとき、JR東日本の成田線が一時運休になったというニュースを見ました。ただの交通情報のひとつのはずなのに、私は思わず手を止めました。

旅行業界で約20年働いていたころのことを、久しぶりに思い出したからです。

自分自身が台風や地震で空港に行けなかったことは、実はありません。でも、お客様が空港に「行けない」という状況を、何度も間近で見てきました。飛行機は飛ぶ予定なのに、そこにたどり着けない。その矛盾のようなものを、ニュースを見ながら久しぶりに実感しました。

「明日は大丈夫かな」と思ったときほど、翌日は荒れていた

成田線が運休した日の前夜、天気予報では明け方まで雨が降り続くと言っていました。それを見て、「これはたぶん、朝には鉄道が止まっているだろうな」と思いました。

そして案の定、翌朝は運休していました。

こういう感覚は、旅行業時代に何度も経験したことのあるものです。「明日大丈夫かな」と少しでも引っかかったときは、実際に翌日大変なことになっているケースが少なくありませんでした。逆に「たぶん平気だろう」で済んだ日のことは、正直あまり覚えていません。人は無事だったことより、ヒヤッとしたことのほうを覚えているのかもしれません。

「今日中に動いた方がいい」と、お客様に伝えたことが何度もある

当時、お客様に「できれば今日中に移動して、前泊した方がいいですよ」と伝えたことは何度もあります。

その判断基準にしていたのは、感覚だけではありません。翌日までに予想される降水量や、風の強さです。普通の雨程度であれば様子を見ますが、これまでで一番強いレベルの予報が出ていて、しかも影響を受けそうなお客様がいる場合は、迷わず伝えるようにしていました。

結果的に何も起きなければ、それで構わないと思っていました。「大丈夫でしたね、ごめんなさい」で済む話です。逆に、伝えなかったことで動けなくなってしまったら、取り返しがつきません。

東日本大震災とタンカー事故が教えてくれたこと

もう少し大きな出来事も経験しています。

東日本大震災のときは、空港への移動そのものより先に、インフラ自体が止まっていました。翌日どうなるかも見えない状況で、しばらくはお客様にキャンセルをお願いし、当日どうしても移動できる方には、できるだけ早く動くようお伝えしていました。

2018年の台風で関西空港の連絡橋が使えなくなったときも、対応にあたりました。あのときは台風だけでなく、タンカーが連絡橋に追突するという事故も重なっていて、正直なところ、事前に予見できるようなものではありませんでした。

ここで一つ、意外な事実に気づきました。

「前泊すれば安心」ではなかった、関西空港の話

関西空港は連絡橋以外に交通手段がなく、あのときは2〜3日、いわゆる「陸の孤島」状態になりました。

台風が来る前に空港へ移動できていたお客様は、結果的に助かっています。でも、もし本島側のホテルに前泊していたとしても、同じように足止めされていたはずです。前泊さえすれば安心、というほど単純な話ではありませんでした。

備えても、防ぎきれないことはあります。それでも、動けるうちに動いた人と、動かなかった人の間には、はっきりとした差が出ていました。

フライトが飛ばない確率より、空港に行けない確率の方が高い

旅行業時代の実感として、天候でフライト自体が飛ばなくなる可能性より、お客様が空港に行けなくなる可能性の方が、ずっと高いと感じていました。よほどのことがない限り、フライトは飛びます。止まりやすいのは、そこにたどり着くための交通手段のほうです。

今回の台風25号では、台風の進路と一部のフライトルートが重なっていたため、その時間帯の便は実際にキャンセルになっていたようです。こういう例外もありますが、基本的には「飛行機が飛ぶかどうか」より「そこに行けるかどうか」を心配したほうが、実態に近いというのが正直な感覚です。

バックアップルートは、自家用車。なければバス

電車が止まったときの代替手段として一番心強いのは、自家用車です。時間の制約なく動けるからです。それが難しい場合は、バスを選んでいました。旅行業時代、お客様に勧める中でも、この二つが一番現実的な選択肢でした。

結論:動けるときに動く

今、自分が空港から出発する予定があって、今回のような予報が出たとしたら、間違いなく前泊します。18時であっても当日予約できるホテルサイトがありますし、それでも見つからなければ、直接ホテルに電話して空室を聞きます。

伝えたいことは、結局これに尽きます。

動けるときに、動いてしまう。

旅行の規模にもよりますが、仕事を少し早く切り上げてでも動くべきだというのが、これまでの実感から出てきた結論です。前泊は、不安に対する「保険」ではありません。「動けるときに動く」という判断を実行するための、ひとつの戦略です。

こんな人に向いている考え方だと思う

  • 台風シーズンにフライトの予定がある人
  • 「明日は大丈夫かな」と思いながら、結局様子見してしまいがちな人
  • 空港までの交通手段が、鉄道一本に頼っている人

逆に、そこまで気にしなくていい人

  • 空港まで自家用車で行ける、または複数の交通手段を持っている人
  • 台風の進路とフライトの日程が明らかに重ならない人

まとめ

台風のときに本当に警戒すべきなのは、「飛行機が飛ぶかどうか」より「空港にたどり着けるかどうか」だと思っています。前泊は保険ではなく戦略。判断基準を持って、少しでも危ないと感じたら、早めに動いてしまう。それが、旅行業時代の経験から今も変わらず持っている考え方です。

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